2020年度キャパシタ技術委員会特別企画「Interfacial Capacitanceのミライ」のご案内
主催:電気化学会キャパシタ技術委員会
電気化学会キャパシタ技術委員会では、毎年4回程度の研究会を開催してきました。例年通りであれば、6月ごろに第3回研究会を開催しているところですが、今年は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、11月までは開催できない状況となってしまいました。このため、本年度の研究会の特別企画として、キャパシタにかかわる科学技術の未来を考える討論会「Interfacial Capacitanceのミライ」を開催することにしましたので、ご案内いたします。
電気二重層キャパシタやリチウムイオンキャパシタなどのいわゆる電気化学キャパシタは製品開発技術が先行し、大学や国研などのアカデミアが科学技術領域をサポートするという形で発展し、自動車への搭載をはじめ、市場規模の拡大が見込まれています。電極反応の最初の過程である固体/液体の界面現象である二重層形成は、電気化学キャパシタに限らず電池反応、電解反応など、電気化学反応において必然の現象でありますが、いまだに未知なことが多いのが現状です。古典的なヘルムホルツの二重層モデル(1853年)、近代的なBockris-Devanathan-Müllen (BDM)モデル(1963年)から年月が経過した今なお、実際に「見る」ことが難しいために、その真の姿をとらえた研究例は少なく、未知数が多い状態です。また、金属を中心に議論されてきた二重層モデルも多孔質な半導体や半金属電極に展開され、より複雑化しています。
この間、放射光やプローブ顕微鏡による高度分析、in-situやoperando分析のようなその場観察技術の発展、あるいは計算科学を駆使したアプローチが飛躍的に伸び、徐々にその姿が見えつつあります。材料面ではナノ~マクロレベルでの構造制御技術の発展、イオン液体や高濃度電解液あるいはグラフェンやMXeneといった新しい材料系が見出され、量子キャパシタンス、束縛されたナノ空間での特異なイオンの挙動、部分溶媒和イオン、レドックス電解液といった新しい概念も登場してきました。キャパシタ分野のさらなる繁栄に向けては、複雑界面を横切る電荷移動の真の姿をとらえ、その学理を深めることが重要であると考えられます。それにより学術の変革や新概念の創出がうまれ、キャパシタ分野に限らず、広い意味で高速な電極反応を利用した工学応用に寄与すると期待できます。
上記のような背景を踏まえ、キャパシタ技術委員会ではフューチャーセッション「Interfacial Capacitanceのミライ」を企画いたしました。COVID-19の影響で様々な学会が開催中止・延期となっており、コミュニケーションの機会、とりわけ産業界とアカデミアが討論する機会が激減しているかと思います。そのような研究者がミライを語るための場として、本会をご活用いただけると幸いです。
対象者: キャパシタ技術委員会会員限定
日 時: 2020年9月4日(金)午後1時30分より(最大1時間半程度)
方 法: ZOOMによるオンライン
参加費: 無料
参加方法:委員の皆様には個別にご案内しておりますが、案内未着の場合には事務局( capatech@electrochem.jp)までお問い合わせ下さい。
締切: 2020年8月31日(月)
【お問い合わせ】
〒376-8515 群馬県桐生市天神町1-5-1
群馬大学大学院理工学府 分子科学部門
キャパシタ技術委員会事務局長 白石壮志
キャパシタ技術委員会事務局委員 畠山義清
Tel: 0277-30-1352(白石), 1359(畠山)
Fax: 0277-30-1353
E-mail: capatech@electrochem.jp